反対意見が少ないときは、反対していない人の意見をきく!!

人間が、どれだけ他人の言うことに影響されやすいかというのは、恐ろしいほど
です。

アメリカのある人がおこなった実験なのですが、みんなに親分の長さを比較させました。

最初に一本の線を見せ、次に三本の線を見せ、その中から、最初に見た線と同じ長さのものを選ばせるのです。

 

正解は明らかなので、一人でこの実験をおこなった時には、正解率は99%以上でした。

ところが、五人グループで、四人をサクラにし、間違った答えを言わせると、正解であるはずの一人が、みんなに同調して、間違った答えをする確率が非常に高くなったのです。

 

何回かこれを繰り返すと、80%以上の人が、「間違っている」と思いながらも、少
なくとも一回以上は他の人と同じ答えをしてしまったのです。

特に、同じ意見の人が三人以上の時は、急に同調行動が多くなることがわかっています。

間違っていると思っても言えないのでしょうか。

 

人に同調する理由は三つあります。

一つは、相手に好意を持ってもらいたい、認めてもらいたい、という気持ちで
す。

自分の不満はおさえて表面的には相手にあわせ、好意をかおうとする行動です。

 

もう一つは、内在化による同調です。

その人の意見をよく聞き、納得し、「自分もそう思う」と判断して同調する場合です。

これは、内心「違う」と思っているけれど同調するのとは違って、その人の意見を自分も取り入れることです。

 

三つめは、同一化による同調です。

憧れのスターの真似をする心理で、その人が自分にとって魅力的なので、そういう考え方や行動を取り入れようとするものです。

日本人は、特に同調性の高い国民性を持っています。

 

みんなが「白だ」と言えば、白になってしまう。

一人だけ「黒だ」となかなか言えない傾向があります。

集団で、自分以外の人間が、みんな同じことを言った場合、自分だけ違うことを言うと仲間はずれになる恐れがあります。

 

同調性の高い日本では、仲間はずれはかなりまずいことになるのでしょう。

村八分」という言葉、けっこう怖いですね。

しかし、そんな中でも、仲間はずれを恐れず、頑固に自分の意見を押し通す人というのは必ずいるものです。

 

ある実験で、約20%の人は、他の人が全員一致していても、その意見に従わなかったそうです。

五人に一人は、会議の頑固者がいるわけですね。

非常に勇気ある人です。

 

こういう人を大切にしないと、集団で間違った方向に行ってしまうような、恐ろしい結果を招くのです。