芦屋瑞稀的人生成功法!

花ざかりの君たちへ』で重要となっている恋愛指針は、手に届きそうもない相手にいかに近づくか、その道しるべの一つだと言ってよいと思います。

 

「自分の近くにいるあの人の心をつかみたい」と思うならば、大胆さも時に必要となりますが、それ以上に、年数をかけてじっくりと二人の距離を縮めていく着々型が望まれます。

 

いつも会う相手だからたっぷり時間はあるので、ここは手堅く攻めた方が、成功率が高いからです。

けれども世界の違うあの人には、「とりあえず」でも勝負しておかないとしょうがありません。

何しろ、あとがないからです。

 

まさかドラマみたいに「3年後に私たちはこの場所で偶然再会しました」なんてことは万が一でも考えてはいけません。

「いやいや、非現実的な恋を成就させようと考える時点で充分ドラマの見過ぎだよ」という声もかすかに聞こえてきますが、それは無視することにします。

こんな人もいました。

 

友人UのクラスメイトWの話です。

Wは高校時代、あるバンドボーカルの追っかけをやっていて彼の10何人目の女いわゆる「地方の女」と自称していたそうです。

Wは当時、追っかけ追っかけの毎日で、テストをしょっちゅうさぼり、ほとんどまじめに学校に行つてなかったということ。

 

そしてWは成績ギリギリで高校卒業後、お目当ての彼を追って、上京しました。

友人Uは、それから長い間、Wの消息を知らなかったらしいのですが、つい最近、好きなミュージシャンのFM番組を聞いていたら、Wの声がラジオの中から聞こえてきたそうです。

 

なんと彼女は現在、某FM局所属のDJをやっているというこの事実。

Wがあの時の彼と、現在も続いているのかどうかは知ったことではありません。

ただ、高校をさぼりまくっていたWがそんな出世を見せたという事実が、まじめに通っていた友人Uを、人生とはいった何なのか、ほんの一晩考えさせたそうです。

 

Wの勢いは、友人Uも誰しもが認めるところだと思います。

やはり世間からみれば「本気?頭おかしいんじゃないの?」と思われるような恋を成就させたいのであれば、とりあえず、大胆な一歩を踏み出すことが求められるということでしょうか。

 

ただし、それだけリスクも大きいし、予想外のことが待っていたりもすると思います。

瑞稀も高跳びをする佐野泉を追っかけて日本にやって来たはいいものの、彼はとっくに高跳びをやめていた、という予想外の展開が待ち受けていました。

 

やって後悔するか、やらずに後悔するか、どっちを取るか男装して男子高へ行くことが、現実的に成功するかどうかは別として、それ以前に「自分、だったらこれができるか」という問いなのです。